女性活躍における男性の本音 〜男性は女性活躍をサポートしたい男性は6割弱?!〜

女性活躍における男性の本音 〜男性は女性活躍をサポートしたい男性は6割弱?!〜

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Lean In Tokyo Co-Founderの鈴木です。今日は男性に焦点を当てた記事を書いてみようと思います。
我々Lean In Tokyoのイベントも今後のテーマの一つとして、男性にももっと参加してもらい、男性の意見を聞くこととしています。なぜなら、男性の意識を変えていかないと、女性だけでは社会を変えることができないからです。女性の管理職が3.1%しかいないこの国の社会を変えることができるのは、男性です。
現在は、男性のスピーカーを招いて、女性のキャリアや活躍についてどのように思っているのかなどを話してもらうイベントも企画中です!ぜひ、お楽しみに。
そんな中、今年発表されていた調査結果で少しびっくりしたものを紹介します。男性が女性活躍について実際はどう思っているのか、ということについての調査結果です。

1. 出産後の女性の働き方についての調査

20代〜70代の9,331人に対して行われた調査で、「出産後の女性の働き方はどうしてほしいか」という質問に対して、下記の結果が明らかになりました。
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結婚後の女性の働き方は、専業主婦や家庭重視と答えたのが34.0%だったのに対して、出産後は51.1%とかなり高くなっています。結婚後の34.0%もかなり高いと思われますが、やはり出産後に家族の面倒を見るのは女性だ、という考えがまだまだ根強いことがわかります。
年配の方がそう思っているだけで、若い男性はそう思ってないのでは?と思うかもしれません。しかし、若い男性も同じように出産後は専業主婦・家庭重視にしてほしいと考えている人が多いのです!
〜20代で専業主婦、または家庭重視が良いという方が53.6%、20代〜30代では、なんと54.5%もいるのです!!
確かに、私の周りでも女性には家庭に入ってほしいと考えている人もよくいらっしゃいます。
参考:https://www.nissay.co.jp/news/2016/pdf/20160408.pdf (日本生命相互会社)

2.「女性活躍」に関する男性の本音

2つ目の調査に、800人の20〜50代男性に女性活躍に対する本音をアンケートしたものがあります。
女性活躍によって「男性より女性の方が重視されている」と焦りを感じている人が34.0%、女性活躍によって「女性の方が昇進が早い」と感じている人が29.6%「女性活躍のシーンが増えて焦りを感じている」人が26.3%もいることがわかりました。
また、同じ調査で女性の活躍をサポートしたいと感じている男性は4割しかいないこともわかりました。
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参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000223.000001915.html (株式会社オークローンマーケティング)
この数字を見て、みなさん何を思うでしょうか。
女性の活躍は、「男性に対する逆差別だ」と感じる男性がいることは事実です。以前、東大が女子学生を増やすために家賃補助をするといったニュースに対して、多くの男性がおかしい!と答えていました。でも、本当におかしいのでしょうか。わざわざ高い学費を払って女性が大学に行く必要はない、と考えている親御さんもまだまだ多い中、東大は女性の比率が低く、必要な策ではないのでしょうか。(https://www.excite.co.jp/News/matome/society/M1479191595476/
男性の意識を変えていくことはとても大切です。前職で、女性活躍のためのイベントを社内で行われた時、男性は一人も参加していませんでした。「自分には関係ない」と思う人が多いからでしょう。個人一人一人の意識を変えていかなければ、個人一人一人が女性をサポートしようと思わなければ、本当の意味での「女性活躍」はやってきません。
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そのためには、女性が活躍すると男性にとっても何がいいのか、ということを伝えて、考え方を変えていくことが必要だと思います。例えば、女性が活躍すれば、男性が必ずしも「大黒柱」になる必要はないし、もっと子供との時間を大切にできるかもしれません。
会社のメリットとしては有事の時の対策になります。多様性がまったくない会社だと環境が変わった時に、対応できなくなる可能性があります。(皆同じだと、食中毒が起こった時に皆倒れてしまいますよね。)リーマンショックの時も、女性がCEOやチェアマンを務めていた銀行は、男性のそれに比べて5〜6倍破綻する確率が低かったそうです。これは、女性がリスクに対して敏感で、銀行のキャピタルレベルを男性の銀行に比べて高く維持していたからだという研究結果がでています。有事の時には、多様性の効果が発揮されるのです。
このように、「女性だからずるい」などと思われないように、会社側もモラル的・PR的な側面で女性活躍を推し進めるのではなく、戦略的に女性を雇用し、能力があるからこそ女性を雇用・昇進するということをしっかり男性社員にも伝えることが必要だと思います。そして、男性が当事者意識を持つこと。そのためには、まず女性の考えや気持ちを知ってもらうことが大事です。
安倍政権が言い始めた女性活躍の実現は、男性の賛成や協力を得られないと、本当の意味で実現することはありません。
私たちもできるだけ男性が参加できるイベント・環境づくりをしていきたいと思います。そして、男性がどうやったら女性をサポートできるのか、具体的に話しあっていければいいなぁと思っています。
(文責:Lean In Tokyo Co-Founder 鈴木伶奈)
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