6/20 【仕事をしている自分が好きだ ~仕事を頑張る女性を後押ししよう~】オンラインイベント開催レポート

6/20 【仕事をしている自分が好きだ ~仕事を頑張る女性を後押ししよう~】オンラインイベント開催レポート

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6月20日(土)、Lean In Tokyoオンラインイベントを開催しました。テーマは「仕事をしている自分が好きだ ~仕事を頑張る女性を後押ししよう~」です。ゲストに、キユーピー株式会社 上席執行役員  藤原かおり氏、株式会社Selan代表取締役 樋口亜希氏をお迎えしました。
休日の朝にも関わらず、100名以上の方々にご参加頂きました。梅雨の合間に気持ちのよい日差しが差し込んできた自宅で、ゲストのポジティブかつ力強いお言葉に、スタッフを含め、参加者の笑顔から有意義な時間になったことを実感しました。とても嬉しいことであり、本当にご参加いただきまして、ありがとうございました。
オンラインイベントの為、参加者は首都圏以外に、大阪、京都、金沢、高山、仙台をはじめ、オーストラリア、中国など、海外からの参加もありました。20代~50代、学生から会社の役員まで、男女問わずに「仕事を頑張る女性」の”本音”について、とても考えさせられるイベントとなりました。

 
第一部 パネルディスカッション
<以下、敬略称>
・タイトルに沿った質問ですが、お二人はどんな時に一番仕事が楽しいと感じますか?
藤原:担当した事業が売上目標の数字に達成し、仲間と一緒に「やったね!」と喜び合う時は一番楽しいなと感じます。
 
樋口:結構いつも楽しいですが、特に弊社のサービスを受けている子供たちが喜んでくれていた時ですね。それから新しい企画やデザインを考える時にも、いつもワクワクします。
 
・日本社会もしくはビジネスの世界ではまだまだ男性中心の社会だと言われています。お仕事される中でそれに対して苦労された経験はありましたか?また、どのように乗り越えられましたか?
藤原:私が新卒で入社したのは1997年でした。当時はまだまだ総合職として働く女性が少なく、会社もどう女性社員を育成したらいいのか模索状態でした。女性を過度に大切にしなくてはという風潮があったり、女性一人で海外出張に行かせることを躊躇したり、様々な迷いがありました。しかし、状況は時代と共に確実に変わってきています。会社自身が働きやすい環境を作る責任があると感じますし、女性自身も働きやすい会社を選ぶ必要があると感じています。
 
樋口:私の母親は中国人です。中国では働く女性が8割以上で男性は家事・料理・育児をするのも当たり前の風潮です。このような背景があり、日本で仕事する際に驚かされたことは多々ありました。
 
・人生の大きな選択を迫られた時、決断をするための軸とは何でしょうか?
藤原:「出来るか出来ないか」ではなく、「やりたいかやりたくないのか」を大切にしています。特に前職のカルビーでは執行役員をやらないかというオファーを頂いた時に、一番悩んでいました。元々マーケティングのスペシャリストになるつもりだったので、経営者を目指す道は新しい挑戦でした。しかし悩んだ末、挑戦してみようと決意しました。実際、見える景色がさらに広がったので、引き受けてよかったと思っています。
 
樋口:私は大切にしている言葉があります。「向き不向きより前向き!」。その挑戦は本当にやりたいことかどうか、心が躍るわくわく感があるかどうか、自分の心の声にしっかり向き合って決断しています。
 
・今までのキャリアの中で、一番悩んだ時期はいつでしょうか?どのように乗り越えられましたか?
藤原:28歳の時でした。その時にコーチングと出会いました。それから長い間、定期的にコーチングを受けています。5年、10年先の長期的な目線でどんな姿になりたいのか、わくわくしながら描いています。ある意味では頭の整理にもなります。
 
樋口:多くの方が“興味あることはたくさんあるけど人生をかけるほどのものなのか?飛び込むほどなのか?”という点で悩むのではないでしょうか。でも興味のあることに挑戦したら、たとえそれが途中で“人生をかけるほどのもの”ではないことに気づいたとしても挑戦したことに意味があるはずです。方向転換は進化と捉え、ファーストステップを大切にしています。
 
・自信を無くした時、どういう風に自信を取り戻していますか?
藤原:過去に乗り越えてきた修羅場を思い出します。頑張ったことには変わりないから、そこから自信を取り戻します。
 
樋口:同じですね。心に響いた言葉を紹介します。“Remember how far you’ve come, not just how far you have to go” ― 未来も大事だけれど、自分が今まで乗り越えてきた道を振り返ってみて、という意味です。それからChromeの拡張機能でMomentumという機能がおすすめです。スクリーンに表示される格言がモチベーションを上げてくれます。
 
・今の自分は20代の自分にどう声掛けますか?
藤原:「もっと勉強しなさい!いい人と出会って、数々の出会いを大切にしなさい」と言いたいです。
 
樋口:想像していた不安は案外起きないことが多いです。あれこれを考える時間はもったいないので、妄想に負けないことです。
 
・ご自身のロールモデルはいますか?必要ですか?
藤原:外資系企業で働いた時に、公私ともにキラキラしている人ばかりで感動しました。またカルビーの元会長の松本さんも自分自身のロールモデルです。必ずしも女性とは限らず、“この人だったらこういう局面でどうするかな?”といつも考えています。
 
樋口:私はロールモデルが必要だと思います。特に子供の頃から「こうなりたい」という憧れを持つことが大切だと思っています。人がエネルギーを生み出すときは2つ。①危機感に迫られたとき。②憧れのエネルギー。危機感によるエネルギーは辛さを伴うので、ロールモデルから得られる憧れのエネルギーを使って成長していけたらと思っています。
 
第二部 参加者Q&Aセッション
・やろうと決めたことが、上手くいかないとき、辞めるタイミングはどのように見極められていますか?
藤原:私のキャリアにおいて何回か転職を重ねています。「このフィールドで1位になれないなと思ったら、次のステップへ進む」と、「自分がそこで輝けるか」を軸に選んでいます。
 
樋口:自分の軸をしっかり持つことです。例えば、私が前職を辞めた時は「グローバル×教育」を軸にして、やらないで死んだら後悔する!と思ってそれを中心に思い切り挑戦します。
 
・60歳になる頃はどうありたいですか。何をしていたいですか?
藤原:経営の勉強をして、会社を良い方向に導くにはマネジメント層はどうするべきか、答えを見つけ実行したいです。社員から「藤原さんと一緒に働いていると元気が出る」と言われる。いつか、そんな経営者になれたらいいな、と思います。
 
樋口:いつか、奨学金財団を作りたいと思っているので、60歳の時はその財団にコミットしている自分を想像しています。
 
・仕事の際にどのように自分の感情をコントロールして、仕事上出すべきアウトプットに集中していますか?
藤原:ビジネスの世界では女性はどうしてもヒステリックと思われがちです。だからそう思われないよう自分を抑える場面があるのは事実です。しかし人間ですから、ムカつくことも当然あります。冷静になった時にムカつく原因を分析すること、自分の弱い部分とどう向き合うべきなのか、考えることですね。
 
樋口:私は元々感情的な性格です。しかし感情を押し殺すのは良くないですね。長い間、リーダーシップ論など、「あるべき論」に苦しみました。しかし、悪戦苦闘する中でリーダーシップとは、自分のスタイルを見つけるものだと気づきました。従業員に自分の感情を共有するようにして、自然体でいられることを大切にしています。
 
・オフの日はどのように過ごされていますか?日々の仕事でエネルギーを発揮するための、お二人なりのリラックス方法は何でしょうか?
藤原:どんなにも忙しくても毎年必ず長期休暇を取っています。これもカルビー元会長松本さんのオススメですね。その休みを3等分にして「最初の1/3は仕事を振り返る、真ん中の1/3は完全に忘れる、最後の1/3は仕事のことを考える」としています。
 
樋口:最近はジョギングとピアノですね。人は何かに猛烈に集中することでストレス発散できるのだと気づいたので、意識的に超集中する時間を作っています。
 
・ジェネレーションギャップについて、思う事はありますか?
藤原:沢山ありますね。50-60代と20-30代は全く違う価値観で働いています。飲み会で頑張れよと言っていた世代と、実力で勝ち上りたい世代とのすり合わせが必要です。私の役割はまさに世代間の繋ぎ合わせだと感じています。
 
樋口: スタートアップ企業は、短期目標がより明確になるので、大きい組織ほど、年齢はあまり気にならないかもしれません。しかし、会社がどんどん大きくなっていくと、いずれギャップを感じてくるかもしれませんね。
 
・藤原さん、フルグラなどマーケティング活動を行う時に女性としての視点が役に立った部分など、具体的なエピソードがあれば教えて頂きたいです。
藤原:会社において上層部での意思決定は最低でも男女が半分半分でないといけないと思っています。なぜならば、世の中の男女比率は半々だからです。女性顧客が多いプロダクトについては、女性マーケターは実体験を元に考えることができるので、どんどんアイデアを出していくことができます。ビジネス上ではこちらのほうがスピード感を持って進められる場合が多いです。
 
・会社で若手として意見を伝える為に、何かアドバイスがありますでしょうか?
藤原:会社が何を求めているのかをよく理解した上で提案するのは大事です。世の中に溢れた情報ではなく、この提案は会社にどう貢献するのか?それを意識しながら、ロジカルに意見を伝えることですね。
 
樋口:普段のコミュニケーションを大切にすることですね。上層部の方に自分の存在を気づいてもらう努力をし、会社にとって有力な情報を常に収集することです。また、自分が社長だったらどうするかを考え、提案することです。
 
最後に
参加者のチャットコメントもアンケート結果も、非常にポジティブな意見ばかりです。「ゲストの数々の名言をしっかりメモしました」、「月曜日から早速上司にもう一度話してみよう」、「自分にとって人生の軸とは何か、もう一度考え直してみる」等の感想や、Lean In Tokyoに今後、同様なイベントを開催してほしいという声もとても多かったです。
“仕事をしている自分が好きだ”、PCの画面越しでも、皆さんの自信満々な顔を伺えます。明日から一緒に、もっと堂々とそれぞれのキャリアを頑張っていきましょう

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