8月 ゲストスピーカーイベント (Bain & Company 塚本氏・大和氏)

8月 ゲストスピーカーイベント (Bain & Company 塚本氏・大和氏)

Past Events

8月 ゲストスピーカーイベント
(Bain & Company 塚本氏・大和氏)

「コンサルタント業界における女性のキャリアについて」

8月27日、「ベイン・アンド・カンパニーのマネージャーが語る コンサルタント業界における女性のキャリアについて」と題して、Lean In Tokyo主催Professional Womanゲストスピーカーイベントが行われました。世界3大戦略コンサルティングファームのひとつであるベイン・アンド・カンパニーに新卒で入社した大和さんと塚本さんをお招きし、女性としてのキャリアを積む秘訣についてお話しを伺いました。

大和さんと塚本さんは入社後、様々な案件に従事し、それぞれペンシルバニア大学ウォートンスクール、ハーバードビジネススクールでMBAを取得。現在は、男性中心社会と言われるコンサルタント業界で、女性としてベイン東京オフィスのリーダーシップチームでご活躍されています。
今回はパネルディスカッション形式でお二人にお話をしていただきました。
Q1印象に残っているleaninした経験は?

塚本さん:来るもの拒まずの精神で、とりあえずなんでもやってみる。たとえ自信がなくても、yesと言ってみる。これをすることによって、自分から「これがやりたい!」と言えなくてもチャンスが舞い込んでくる。男性と比べると、女性はconfidence levelが低いため、女性にとってはこれは特に大事。

大和さん:やりたいことを表面に出す。自分が絶対にこれがやりたい!ということをいろんな人に言っておき、オフィス中の人が知ってる状態にしとくとたまたまその案件が来た時に自分に声がかかる。
Q2何を志してキャリアを積んできた?
大和さん:何かのプロになりたいとはずっと思っていて、その自分が身につけたものを誰かに無償であげてそれが誰かの役に立てばいいと思う。ずっとnon profit organizationには興味があって、bainにも最初はアメリカでnon profitの活動がやりたくて入った。今はbainでnpo支援等の活動もしている。
塚本さん:最初は漠然と自分が生まれたからには何か世の中にプラスになりたいと思っていた。climate change, povertyなど世界中にあふれている問題を全部解決したかった。その中で気付いたのは、世の中をスピーディに変えるにはビジネスが一番だと思ったので、ビジネススキルを学びたいと考えていた。
Q3自分がやっていることについて迷ったことはなかったか?
塚本さん:迷ったことはあった。母が専業主婦で、自分が一生働くというイメージがあまり持てなかった。でも私は仕事している方が自分のためにも家族のためにもいいと気づいた。それから仕事を続けることの迷いないが、コンサルを続けるかは迷っているし、MBA取得もそれを考えるために行った。
大和さん:迷うことはなかった。でも自分は分析が苦手でlogicも苦手だったため、この仕事でsurviveできるかは不安だった。今はもうやるしかないな、という気持ちだが、もうやめようと思っていた時もあった。
bain2
Q4roll modelはいますか?
大和さん:最初はいなかったが、だんだんできた。今のオランダ人の上司の仕事へののめり込み感がかっこいいなと思う。bainではメンター制度がしっかりしているのでreviewをいただけ、さらにメンターシップは相互のものだから、相手に自分が尊敬してると伝えるし、向こうも応援してくれる。
塚本さん:この人になりたい!という人はないけど、いろんな人がいるって気づいた。この人じゃないと成功できない、というのはなくて、いろんなリーダーシップのスタイルがあって、なんでもありなんだなとわかったのは大きかった。女性のロールモデルはnewyork時代の上司。彼女は家庭も仕事も両立してて、なんでそんなことが可能なんだろう?と思うと、彼女は家事を何にもやらないけど子供との時間は作っていて、あ、なるほどなと思った。全部やることは無理だけど、全部諦めないといけないわけではなくていろんな働き方がある。
Q5私生活と仕事のバランスはどうしてますか?
大和さん:私は特に趣味はないが、美味しいものを食べることとアニメを見ることは外せない。人によってprivateな時間がどこまであると精神的にsustainableかは人によって違うから、自分の中でのsustainabilityをわかっておき、死守するといい。
塚本さん:人生、犠牲にするものはどんどん増えて行く。子供が出来たら子供と過ごすか仕事をするかで選ばなければならないし、相当仕事が好きじゃないと仕事は続かない。仕事はある程度やらなきゃいけない量が決まってるから、いかに重要なことだけを早くやるかを考えている。私たち夫婦は朝ごはんは絶対一緒に食べることにしたり、家事は完全にautomationにしている。householdが女性の仕事っていう認識が日本ではまだ強いけど、逆に自分の旦那が自分よりキャリア思考じゃなくてもいいという、男性への許容も必要。
Q6コンサルは男性が多いですが、女性ならではのバリアはありましたか?
大和さん:女性だと認識させられることはない。お客さんに驚かれることはあるが、negativeに働いたことはない。女性だから覚えてもらえたり、女性ならではの下着や化粧品などの仕事もあるため、強みとなることの方が多い。
塚本さん:あまり男性社会とは思わない。日本の人材状況が男女で偏りがある。海外はむしろ女性が多い。bain社内でwoman at bainというものがあります。上の方はまだまだ女性がすくないのでseniorの女性を増やすことを目的としています。社内の産休などの制度を整えるだけでなく、男女のconfidence levelによる発言のレベルの差などの統計的な男女差を社員に認識させている。
Q7コンサルとしての働きやすさでbainが工夫している点は?
塚本さん:ママのコンサルでも働けるようにしていっている。17〜18時に帰らなければならない、でもだからといって仕事量が減るわけではないので違う時間にやってもらうことになるのだが、ちゃんと子供を寝かしつけるまでは子供のそばにいれるようになっている。
Q8社内ではvirtual babyという言葉があり、赤ちゃんがいなくても人にはそれほど大事にしているものがあり、それをリスペクトしなければならないという考え方ですね?
塚本さん:lean inはriskとるのもそうだけど、色んなスタイルを許容するのも大事だと思う。赤ちゃんがいなくても赤ちゃんほど大事にしているものがあり、それを尊重しなければならないというコンセプトですね。
Q9女性が長期的に活躍するのに大事なことは?
大和さん:人生山あり谷ありだと思うが、大変なことがあってもやめないでほしい。継続的に続けることによって得るものがある。そして自分の大切なことは大切にしてあげる。男性には差異を認めてほしいし、優劣でがなくて最大限の力を出すことがプロだとわかってほしい。
塚本さん:アクセルを踏めない時期があってもいいと思う、でもブレーキは踏まなくてもいい。
また、最初はアクセルを踏み切ることも大切だと思う。加速しっぱなしじゃなくてもいいし、ただ止めなければいいし、それで悲しまなくてよくて、等速でも進むむことが大事。そういう時は他の何かが進んでるときだと思う。男性には、いろんな人の人生にはいろんなスピード感があるので、アクセルを踏まないことをjudgeしないのは大事。多様な考えをお互いに許容くること。
bain
続いてはグループディスカッションを経てお二人に質問を考えていただきました。
Q1bainでの多様性を許容するmindはどのように整った?
大和さん:まずリーダーシップをとる人間が多様性を許容するということを絶対に譲らないというコミットメントを見せる必要がある。また、多様性の対象となる人物が、断固として意志を突き通す。他者からのノイズはどうしても入ってくるが、自分がその立場になったら突き通し、他人がそうなったら見える形で許容する。
塚本さん:会社の個人評価がニュートラル。女性であることで人事評価がちょっと不利になってしまっては本当に意味で変化にはならない。
Q2どんなものでも受けいれるスタンスでのコミュニケーションは?
塚本さん:私もたくさん抱え込んでしまうのだが、できないことはできないって言っていいのだと気付いた。また、実は今これとこれやってるから、これってあれより大事ですかね?って相手に優先順位を意識させるのもいい。
Q3女性をそもそも増やしたいと思っている理由は?ワークライフバランスをsustainableに保つにはいいパートナーが大事ですか?
塚本さん:まず、diversityに価値の源泉があり、女性の視点が必要だと思う。それは女性に限らずLGBTも、どんな方向の多様性でも価値があると思う。パートナー選びが非常に重要。それにおいて、自分が何をしたいのかを知って相手に何を求めるかを知らないといけない。私よりキャリア志向じゃない相手と結婚するとは思ってなかったけど自分を知って選んだ相手だからうまくいってる。
Q4男女の差であるconfidenceの壁を個人としてどう乗り越えていく?
大和さん:女性は責任感が強い方が多く、答えは自分が出さないといけないっていう気持ちが強いので、そこで対応していける。また、男性はlogicalじゃないといけないっていうプレッシャーがあるのでコンサル業界では男性が控えることがある。そんな中、女性が思いついたことをナチュラルに言うのにhesitateしない。
塚本さん:「違うかもしれないんですけど〜」など、女性は相手に自信なさそうだという印象を受ける言動があるから、それを控える。

お二方の仕事に対する考え方、男女の違いに対する考え方はとても参考になりました。

「アクセルを踏み続ける」ではなく、「ブレーキを踏まない」という考え方は多くの参加者の心に響いた言葉でした。

(文責:相山由衣)

aaa

タイトルとURLをコピーしました