働く母であるジョーン・ウィリアムが公開している「What works for Women at Work – 働く女性にとって何が有効か」では、具体的な対処法を教えてくれます。
今回はパート4です!
私の名前はジョーン・ウィリアムです。私は教授であり、弁護士であり、母でもあります。今回は、娘と共に実施した、「What Works for Women at Work」に関する研究・調査を紹介します。
この研究は、35年に及ぶ、数百件以上の社会心理学的研究に基づきます。それらの研究や資料を元に、4つのパターンに分解しました。127人の成功している女性にインタビュー調査を実施し、それらのパターンを説明しました。身近なものがあるかどうか尋ねたところ、ある女性は、全てのパターンが該当すると回答し、「私の人生そのものです」と回答する女性もいました。
ここでは女性が経験する4つの基本的なバイアスを紹介しています。
1つ目はProve It Again。女性は常に自分の実力を証明し続けないといけないという思い込みです。
2つ目はTightrope。女性が「女性らしさ」と「男性らしさ」の境界線を、tightrope (綱渡り)している状況を指します。
3つ目はMaternal Wall。「母親」である状況によって作られる「壁」です。
そして4つ目が Tug Of Warです。上記3つのバイアスやその他のバイアスが交わり、女性同士に衝突をもたらす状況を指します。
それは例えばこんな状況です。”管理職になれる女性は1人だけ”というメッセージを受け取ったとき、女性はそのポジションを狙って競争するでしょう。あるいは組織に数えるほどしか女性リーダーがいない場合、同じように”上位に進めるのは1人の女性だけ”という印象を受けて、本来はたくさんの女性に可能性があったとしても、やはり女性同士のいがみあいを招くでしょう。
Erica Mclane (ビジネススクールの生徒で2008年オリンピック出場者)
ビジネスはとても男性優位な社会なので、”私もしたい”“彼女もしたい”という状況で、しかしおそらく1人の女性しか選ばれないだろうと考えて、とても気まずい思いをするシチュエーションがあります。
Tag of War
先ほど挙げた3つのバイアスが、女性同士の衝突をもたらすことがあるのです。
例えば”Prove It Again”のバイアスによって、年上の女性が年下の女性をより厳しいスタンダードを突きつけることがあります。なぜならそれこそが、その年上の女性自身をここまで成功に導いたものであり、彼女自身これまで文字通り”Prove It Again”し続けてきたからです。
”Tightrope”のバイアスがもたらす衝突は、男っぽい女性とフェミニンな女性の間に見られます。男っぽい女性はフェミニンな女性に対し、”あなたの意見をまじめにとらえる人なんているわけない”と判断しますし、逆にフェミニンな女性は男っぽい女性に対し”あなたのことを好きな人なんているわけない”と蔑むでしょう。
”Maternal Wall”が女性通しの衝突をもたらすことは多くあります。例えば私と同じ年代の女性が若い女性に、”どうしてそんなに長い休暇やキャリアブレイクが必要なのか分からない。私は今までの人生ずっとフルタイムで働いて、子供も楽しく過ごしていた。”と話したりします。これは典型的なよくない会話です。なぜならどちらの女性のアイデンティティも脅かされているからです。これが衝突を生むのです。
Tug Of Warを理解するにあたり、とてもシンプルなこの質問を問うのが効果的です。”男性はいつも男性をサポートするかー”。もちろんNoですね。だって人間ですもの。
もしある環境に女王蜂のような人がいるなら、それは大抵女性のパーソナリティが原因ではなく、そこにジェンダーバイアスが存在する兆候なのです。
他の女性を評価しない
女性はいつも激しい圧力のもと、互いを厳しく評価し合いますが、重要なのはそこから一歩下がって、参加しないことです。
Erica Mclane
あなたには他の女性を良く評価する”勇気”がありますか?もし彼女が自分より良い評価を得ても、自分に自信を持ち続けられますか?
衝突を解決するために直接話す
もしあなたを貶めようとする女性がいたら、直接的な方法で対処しましょう。例えば私がインタビューした女性は、その人のところに行き、こう言ったそうです。
”これは私の感じたことだから間違っているかもしれないけど、私たち互いに良い印象を持っていないみたいで、でも私はあなたに敬意を示したいし、良い関係を築きたいと思っているの。だからもし私が過去に、あなたを傷つけるようなことをしていたなら、それはわざとではないと信じて欲しい。そしてもしそういうことが過去あったのなら、いま聞かせて欲しい。”
直接話すことが、とても大切なのです。
それぞれの経験を尊重する
そして特に私と同じ年代の女性には、若い女性が経験していることは自分たちとは違うんだと、覚えておいて欲しいのです。そのために私たちは働いていて、それを知ってもらうことが我々の成功です。
そして若い年代の女性には、年上の女性はあなたが願うほど助けにならないと覚えておいて欲しいのです。なぜなら彼女達は、あなたが思うほどの力はなく、むしろ先ほどの4つのバイアスを助長することさえあるからです。
女性同士で働かせる
なのでもし女性同士の衝突があるような組織に入った場合、最も効果的なのは女性同士を一緒に働かせてみることです。女性同士の問題には必要ないかもしれないけれど、思い出して下さい、女性の中には、キャリアの早い段階で差別を経験したために、他の女性から本能的に遠ざかる人達がいるのです。あなたの生息地は、女性同士で助け合うことで生まれるのです。
他の女性を応援する人になる
私は全ての女性が、他の女性を応援する必要があるとは思いません。男性だってそうはなれないですし。だけど多くの女性がそうしたいと思っていて、実際私は20年間そうしてきました。とても満たされた気持ちになります。なのでもしあなたが他の女性を応援したいと思うなら、リスクの小さい方法でトライしてみて下さい。
例えば、とある女性が発言したときに無視された意見が、別の男性が発言すると褒め称えらえるようなミーティングに出くわした場合、”それはMary Annが5分前に発言したアイデアと同じだわ。私はそのとき、とてもいいアイデアと思ったのよ。”と言ってみたり。
あるいは、ある女性が”ずうずうしい””他人を押しのける”と言われているのを聞いた場合、”あなた、もし彼女が男性だったとしても同じように感じるかしら?”と言ってみたり。
もしくは他の人より多く雑務をしている女性を見かけたら、”あなたは本当にチームに貢献してくれているわ。だけどもう5年も同じ仕事をしているはず。そろそろ次の異動について考えた方がいいと思うの。”と声を掛けて、彼女のキャリアを最大化する手助けをしてみたり。
このようにあなたが他の女性を応援する方法は、いくつもあるのです。
Key Takeaways
・他の女性を評価しない
・衝突を解決するために直接話す
・それぞれの経験を尊重する
・女性同士で働かせる
・他の女性を擁護する人になる
Erica Mclane
私たちはフェミニストとして、互いに力を合わせる必要があります。そうやって、ある女性が次の女性の道を切り開いていくんです。いまはまだ女性管理職の女性は少ないけれど、女性同士が協力することで、女性の声が大きくなり、大衆意見になっていくのだと思います。