こんにちは、Co-Founderの鈴木です。白熱した2016年大統領選挙が昨日終わりました。最終的には、トランプ氏が279人、クリントン氏が228人という結果になり、トランプ氏が次大統領になることが決定されました。
日本でも、トランプ氏の暴言については何度も取り上げられていましたので、驚いた方も多いかと思います。株価は一時919円暴落、円は一時101円まで円高が進み、”トランプショック”の大きさが様々なところで影響しています。
また、トランプ氏はセクシスト、レイシストの発言も売り返し行い、また日本に対しては在日米軍の駐軍経費を日本が全部負担すべきだと話していたこともあり、今後どうなるんだろうと不安を抱えている人も多いかと思います。
そんな中ですが、Lean In Tokyoのメンバーとして女性初の大統領が誕生するかもしれないと言われていた今回の大統領選に関する考えを書いてみたいと思います。
<投票者の中で42%の女性がトランプ氏に投票>
女性蔑視発言がニュースで取り上げられたトランプ氏ですが、実は投票した女性の42%が女性だったのです。また、白人女性だけに限って見てみると、トランプ氏に投票した数のほうが、クリントン氏に投票した数を上回っているのです!女性蔑視発言を受けて、女性に嫌われたのでは?と思った方も多いかと思いますが、実はそんなことを気にしない女性もたくさんいたんですね。
<女性蔑視発言は「健康の証」?!>
では、彼女たちはトランプ氏の言動(女性蔑視など)を許したのでしょうか。
この件に関しては、実際のところはわかりませんが、ある女性はインタビューに対して「男性が女性に興味を示すことは、ゲイでない限り当たり前のこと。健康の証よ。」と答えていました。女性自身が性的対象として扱われていることは「当たり前のこと」と思っていて、疑問を感じず、トランプ氏の発言にも違和感を覚えないのかもしれません。確かに日本でも、トランプ氏のような発言をする人は、街に出ればたくさんいます。冗談でも、本気でも、そんな発言を耳にすることは、実際よくありますよね。でも、それを「当たり前」で「変えられない」と思って、諦めてしまっていいのでしょうか。
またこの数字が示すのは、女性蔑視をしたトランプも嫌だけれど、それに増してヒラリーのことが嫌いだった女性が多かったということです。もしかしたら、「女性は野心を持つべきではない」、「女性は大人しくして、男性のサポートをすべき」という考えを持つ人も多く、そのような人たちは男性がリーダーであるべきと考えたのかもしれません。
<教育を受けていても受けていなくても、白人女性はトランプ派?!>
National Election Pollの下記データによると、①教育を受けていない白人女性は、トランプ氏に62%が投票、34%がクリントン氏に投票、②教育を受けた白人女性についても、45%がトランプ氏に投票、51%がクリントン氏に投票したそうです。教育を受けていても受けていなくても、白人女性は主にトランプ氏を支持した人が多かったことがわかります。
大学での教育を受けていない人たち
大学での教育を受けた人たち
この結果をどう捉えるのかは人それぞれです。
このデータの解釈よりも何よりも、私は今回の大統領選で「ガラスの天井」がいかに厚いのか、ということを学んだ気がします。男女平等とか、多様性などを促進していきたい私たちのような人間にとっては、特にショックが大きいように感じます。結局、Gender Equalityなんて無理なんじゃないのか、と思ってしまいます。
でも、クリントン氏は選挙後のスピーチで下記のように語っています。
「あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。正しいことのために戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」
「正しいことのために戦うことは価値のあること」。それはクリントン氏の今回の敗北がとても価値のある敗北であることからも、わかると思います。自らが戦って、多くの女性に力を与えたこと、一歩踏み出す勇気を与えてくれたこと。これは彼女が出馬をしていなかったら、なかったことです。
私たちも、まだまだ小さな活動です。笑う人もいるかもしれません。でも、正しいことのために、行動を起こすこと、笑われても、戦うことは、価値のあることだと信じて、これからも活動を続けていきたいと思います。真の男女平等が実現する社会、真の多様性が受け入れられる社会を目指して。
(文責:Lean In Tokyo Co-Founder 鈴木伶奈)