”私は日本の女性に 「呪いではなく 、魔法をかけたい 」と思うのです 。”
今回ご紹介するのは、鈴木絵里子さん著の『これからは、生き方が働き方になっていく』。
冒頭のメッセージの通り、私たち日本女性を、古い価値観という呪縛から解放してくれる言葉がたくさんありました。
第四次産業革命ともいわれ、AIやIoTが台頭しつつある時代の変わり目に立つ私たちへ、著者からのメッセージは”いまこそ自分の好きなことを仕事にしよう”ということ。
そして既存の考えや固定観念を一旦疑ってみて、unlearn (過去の学びを捨てることをして、自分で考えること)を始めることです。
一方で、多くの日本女性がそんな生き方をためらってしまいがちだということも理解されています。
ではそんな女性が安心して新しい生き方を選ぶために、必要な土台とは何でしょうか。
1つめは 、 C O N F I D E N C E (自信 。自分の声を聞き 、それを信じて行動する力 ) 。 2つめは 、 C O N N E C T I O N (信頼と共感を通じて人とつながる力 ) 。 3つめは 、 C O M M U N I T Y (連帯感や支え合いから 、自分を増幅していく力 )
これらはLean Inの考え方とも共鳴する部分が多く、皆さんの心にもストンと落ちるメッセージではないでしょうか。その中でも特にご紹介したいのは”自信”についての以下パートです。
自信を持つのに努力はいらない/自信の筋肉を鍛える
とにかく、最後は信じるしかない、と思うのです。むしろ、この自信のない自分を自分が信じてあげないで、誰が信じてくれるというのでしょう。そして、全力で実行していくうちに、そんなマインドに慣れてきたのです。必死にアクションを続けて、どこかではたと自分の走ってきた道を振り返った時に、「あそこからこんなところまで走ってきたのか。自分、なかなか頑張ったね」と感じる。この繰り返しが自信につながっていけば良いと思います。
勝とうと思って自信を見せると「かわいくない」と 言われ、自信を持たなければ「かわいい」と言われるけれど同時に「未熟だ」と言われる。これでは勝ちようがない、と感じてもおかしくないでしょう。
世の中からかわいくない、セクシーじゃない、と思われたとしても、自分にとって、あるいは本当に大切なパートナーにとってかわいく、セクシーであれば怖いものはないのではないでしょうか。顔を見たこともない世の男性たち(もしくは好きでもない会社の同僚たち)の意見に惑わされる必要はありません。
また女性の詐欺師症候群(インポスターシンドローム)の対立項として、男性の偽専門家症候群が紹介されていたことも興味深いものでした。
「偽専門家症候群」とも言える代表的な症状が, “mansplaining” マンスプレイニング)-man (男)がexplain (説明)すること-です。女性が既に知っていることについてまでも、あたかも自分の方が詳しく知っているかのように説明する男性の振る舞いです。
他にもPDCAに代わるOODAなど、start-up界隈で活躍する著者ならではの、時代の先をゆく知見が数多くありました。
自分の好きなことを仕事にできる時代が着実にやってきています。そんな時代をより早く謳歌できるよう、あなたを自由に、解放してくれる本です。ぜひご一読下さいね。
Lean In Tokyo 高尾