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【総務省統計局 労働力調査 2017】調査結果から読み解く女性の働き方 3つのポイント解説

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【総務省統計局 労働力調査 2017】調査結果から読み解く女性の働き方 3つのポイント解説


Lean In Tokyoの横田です。

1947年から総務省統計局が実施している「労働力調査」をご存知でしょうか?就業・不就業の実態を明らかにすることを目的とした調査で、本格的に実施されてから70年の歴史があります。日本の雇用政策など各種行政施策の基礎資料となっている重要な統計データです。その中でも、雇用形態、性別、年齢といった属性別の調査結果が多く掲載されており、働き方の現状について知る手がかりとなりそうです。

今回は、今年2月の調査結果を一緒に見てみましょう。女性の働き方という観点から、気になる3つのポイントに分けて解説してみたいと思います。

 

調査結果から読み解くポイント①就業希望者の約3割が「出産・育児・介護・看護」を理由に非求職?!

就業希望者(就業を希望しているが、求職活動をしていない者)380万人のうち、105万人が出産・育児・介護・看護を非求職の理由に挙げています。

内訳としては、「出産・育児のため」とした者が86万人、「介護・看護のため」とした者が19万人という結果でした。

 

 

なお、男女・年齢階級別にみると、男性は15~24歳の若年層が最も多く44万人(男性全体の41.5%)、女性は35~44歳の中堅層が最も多く77万人(女性全体の28.0%)となっています。35歳~44歳の女性というと、出産・育児期にあたる可能性が高く、30歳代で就業率が落ち込み、子育てが一段落した後に再就職する人が多くなるという「M字型カーブ」の現象と相関がありそうです。

女性の年齢層別の労働力率(その年齢層に占める、働いている人+求職中の人の割合)は、20~29歳では他の国々と同程度の水準を保っていますが、30~39歳ではかなり下回っていることが分かります。

 

女性の年齢階級別労働力率(国際比較)
出典:内閣府『男女共同参画白書 平成25年版』「第1節 就業者をめぐる状況」より

 

また、興味深いのは、日本ではM字の凹み部分が時代とともに右寄りにシフトし、凹み度合いが穏やかになっている点です。これは、昭和50年には多くの女性が25〜29歳で「寿退社」をしていましたが、平成24年になると晩婚化・晩産化の影響や、結婚後も働き続ける人が増えているからだと考えられます。

 

女性の年齢階級別労働力率の推移
出典:内閣府『男女共同参画白書 平成25年版』「第1節 就業者をめぐる状況」より

 

それでも30歳代の女性に非求職者が多いのは、できれば仕事を継続したいと思いながらも、家事や育児との両立ができない状況なのではないかと思います。

大学卒業後に正社員として就職しても、長時間労働が常態化している職場環境の中で、保育所不足など社会的サポート体制も不十分であり、家庭責任は主に妻が担うという伝統的な性別役割分担の価値観も相まって、就業を継続することが困難に思えるのかもしれません。

日本では、一度正社員を辞めてしまうと再就職するのがとても難しくなっています。そのため、子どもが保育園・幼稚園や小学校に通い始めるタイミングで「また働きたいな」と思ったとき、多くの人がパートやアルバイトという非正規雇用という働き方を選んでいるのです。

 

次の調査結果からも、女性の中で補助的な働き方を希望している人の割合が非常に多いことが分かります。

 

調査結果から読み解くポイント②女性非正規社員の約半数は年収100万円未満?!

非正規の職員・従業員についた主な理由で最も多いものは,男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」なのですが、注目ポイントは、女性が挙げた2番目の理由に「家計の補助・学費等を得たいから」とする回答が 326 万人(女性全体の25.1%)だったことです。同じ回答をした男性は77万人(男性全体の13%)と女性の半数だったことを考えると、家計という観点では、女性自身も補助的な役割を望んでいるケースが多いという結果になりました。

 

 

これは年間収入に関する別の調査結果でも同じ結果が得られています。

 

 

ちなみに、正社員の年間収入についても明らかな男女差が見られます。正社員の男性は2016年平均で年収500~699万円を稼いでいる人の割合が22.9%と最も高いのに対し、正社員の女性は年収200~299万円を稼いでいる人の割合が28.4%と最も高くなっています。

男女間賃金格差の縮小に向けて、厚生労働省でも賃金や雇用管理のあり方を見直すために男女間の賃金格差解消のためのガイドラインを作成するなどの整備を進めていますが、こちらもぜひ継続した取組みを続けてほしいと思います。

 

 

調査結果から読み解くポイント③女性非正規社員の約半数が働きざかりの35~54歳?!

次に、正社員として働く男性は2,278万人であるのに対し、女性は1,078万人、非正規社員として働く男性は648万人であるのに対し、女性は1,367万人という結果があります。調査結果を簡単にまとめると、男女別の雇用形態には大きな差があることが分かります。

 

     ■正社員の男女比・・・2:1

     ■男性の正社員/非正規社員比・・・1:3

     ■女性の正社員/非正規社員比・・・1:1

 

さらに、非正規社員の年齢階級を見ていくと、男性の場合は2016年平均で65歳以上が162万人 (男性全体の25.0%)と最も多く、次いで55~64歳が150万人(男性全体の23.1%)となっており、中高年層が全体の約半数(48.1%)を占めています。それに対し、女性の場合は45~54歳が342万人(25.0%)と最も多く、次いで35~44歳が313万人(22.9%)となっていますので、働きざかりの中堅層が全体の約半数(47.9%)を占めています。

 

この結果は、上述の調査結果から読み解くポイント①とも関連があると思いますが、出産・育児期の女性は仕事を辞めて非求職の状態になったり、あるいは働いたとしても家計の補助・学費等を得るために非正規社員としての働き方を選ぶことが多い傾向があるようです。

 

さて、今回の調査結果、皆さんはどう思われますか?

日本の雇用政策に反映される統計データということで、働き方の現状を知る上で多くの手がかりが得られました。

現状では、会社を辞めず働き続けるのも、一度辞めて再就職するのも大変という女性が多いと思いますが、自分のペースや家族の状況に合わせて働き方を調整していけるようになるといいなと思います。そのためにも、企業側には職場環境の改善を、行政側には保育サービスや家事アウトソーシングなどの社会的サポートの充実を、そしてパートナーがいる皆さんには、あなたのパートナーを対等の能力を持つ人間として扱い、「本当のパートナー」として様々な機会に挑戦することをぜひ支援して頂きたいと思います。

 

調査レポート本文はこちらから:http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf

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